企業が情報を発信する上で欠かせないオウンドメディアには、いくつかの種類があります。例えば、ブログ型のメディアやECサイト、ブランドサイトなどが代表的です。
それぞれのメディアごとに異なる特徴があるため、自社のサービス・商品や、メディア運営の目的に合わせて適切な媒体を選択することがポイントです。
この記事では、代表的なオウンドメディアの特徴や活用方法について解説します。また、オウンドメディアが果たす役割についてもご紹介します。
目次
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オウンドメディアの定義とは?
「オウンドメディア(Owned Media)」は、直訳すると「所有されたメディア」という意味になります。一般的には、企業が自社で保有・管理しているメディアのことを指して使われる言葉です。しかし、「オウンドメディア」には明確な定義が存在するわけではありません。
また、広義と狭義で意味合いがやや異なる場合があります。まずは、それぞれの定義を確認しておきましょう。
狭義の意味でのオウンドメディア
狭い意味でのオウンドメディアは、主にブログ型のコンテンツサイトやポータルサイトなどを指します。これは、企業が情報発信の手段として自社メディアを活用し始めた頃、ブログ形式での運用が主流だったことが理由ではないかと考えられます。
そのため、今でも「オウンドメディア=ブログ」と認識されることが少なくありません。
広義の意味でのオウンドメディア
広い意味でのオウンドメディアは、企業が所有し、自由に情報を発信できるすべての媒体を指します。具体的には、自社のWebサイトだけでなく、SNS・動画プラットフォームのアカウントやメールマガジン、チラシやパンフレットといった紙媒体も含まれます。
さらに、プレスリリースやオンラインセミナー(ウェビナー)も、企業が主体的に情報発信できる手段であることから、広義のオウンドメディアに分類されます。
関連記事:オウンドメディアの意味とは?他のメディアとの違いや特性を解説
オウンドメディアの種類・活用方法
オウンドメディアには、ブログやECサイトをはじめ、さまざまな種類があります。それぞれに特徴があるため、自社の戦略や目的に合わせて選択することが重要です。
ブログ
ブログは、自社の商品・サービスの魅力を伝えるための代表的なメディアです。「オウンドメディア=ブログ」と認識されることもあるくらい、一般的で親しみやすい手法といえるでしょう。
具体的には、訪問者の「知りたい」に応える形で、役立つ情報やノウハウを発信して、信頼をしっかりと築いた上で、問い合わせや購入へと促す役割があります。
また、業界の最新トレンドや、現場での視点をふまえたリアルな情報を発信することで、自社の専門性や信頼性のアピールにもなるでしょう。
なお、ブログはECサイトやポータルサイトに比べると、導入・運用のハードルが比較的低いことから、多くの企業が活用しているオウンドメディアでもあります。
ECサイト
ECサイトは、自社が提供するサービスや商品を直接販売するためのオンラインショップです。
ECサイトでは「この商品を買いたい」と思わせる訴求力の高いコンテンツが求められます。例えば、衣類系であれば、ブログ・コラム機能を使い、コーディネート例を掲載することで、商品の関心を高めて、購入に繋げることができます。
また、購入者が登録できる口コミ欄を作ることで、商品に対する信頼性を高めることも可能です。
ただし、あまりにも宣伝色が強すぎると、ユーザーが離れてしまう可能性もあります。ユーザー目線で役立つ情報を提供しながら、自然な流れで購入を促すことがポイントです。
ブランドサイト
ブランドサイトは、自社の特定のブランド(商品・サービス)を訴求するために運営されています。主な目的は、訪問者に対してブランドの魅力や世界観を伝えることです。
例えば、アクセサリーの新シリーズを紹介する場合、ブランドサイトを立ち上げ、コンセプトやテーマ、ビジュアルイメージやコーディネート例などを掲載することで、よりブランドの世界観を視覚的に伝えることができます。
さらに、キャンペーン情報や特別な展示会のお知らせなども発信することで、ユーザーとの接点を強化できます。
ブログ型のメディアのように、頻繁な更新は求められないことが多く、期間限定で公開されるケースもあります。コンテンツの鮮度よりも、完成度の高い世界観の表現やブランドメッセージの一貫性が重視されるオウンドメディアといえるでしょう。
ポータルサイト
ポータルサイトには、ジャンルに特化した「専門型ポータルサイト」や、ニュースや天気など幅広い情報を扱う「総合型ポータルサイト」など、いくつかの種類があります。
運営する目的のひとつは、自社のことをよく知らないユーザーとの接点をつくることです。「ポータル」とは「入口」を意味し、その名の通り、多くの人が最初に訪れる窓口として機能します。上手に活用すれば、大規模なアクセスを集めることが可能です。
そのため、自社と接点のない人々にもアピールすることができ、ポータルサイトをきっかけとして、自社商品やサービスを知ってもらえる可能性があります。
また、集客力が高まれば、広告からの収入といった新たな収入源につながることも。
ただし、情報の更新頻度やコンテンツの質が求められるため、運営にはリソースや知識が必要です。この点はデメリットといえるでしょう。
採用サイト
採用サイトは、採用情報に特化したオウンドメディアです。多くの場合、コーポレートサイトにも採用情報のページは設けられていますが、それとは別に立ち上げる専用のメディアのことを一般的に「採用サイト」と呼びます。
あえてコーポレートサイトと分けて運営することで、採用情報の内容をより充実させることが可能になります。具体的には、職種や雇用形態、給与といった募集要項の他、業務内容の紹介や社員インタビュー、一日のスケジュール紹介など、さまざまなコンテンツを掲載します。
このような情報を通して、自社に興味を持つ求職者が応募前に知りたいことをしっかり伝えることで、応募者数の増加や採用後のミスマッチ防止にもつながります。
コーポレートサイト
コーポレートサイトとは、企業の公式Webサイト(ホームページ)のことを指します。自社の活動や会社概要、事業内容、代表メッセージ、提供するサービス・商品、投資家向けのIR情報などを掲載し、企業そのものを知ってもらうことを目的としています。
企業の顔としての役割を持ち、信頼性の向上やブランドイメージの確立に大きく影響するメディアです。
ただし、コーポレートサイトは、オウンドメディアに含まないとする見解も一部にはあります。
広義のオウンドメディアと組み合わせた活用方法も
チラシやSNSといった広義のオウンドメディアと、ブログやブランドサイト、採用サイトなどを組み合わせることで、より高い効果を発揮することが可能です。
この項目では、複数のオウンドメディアを組み合わせることによる効果について解説します。
オフライン×オンライン
まず、オフラインのオウンドメディアには、以下の種類があります。
- チラシ
- カタログ
- 雑誌・広報誌
- セミナー・イベント
上記の紙媒体や対面施策と、Webメディアを連携させることで、より効果的な情報発信が可能になります。
例えば、チラシやカタログに自社ブログやECサイトのQRコードやURLを掲載すれば、紙面では伝えきれない詳細を補完し、オンラインでの購入・問い合わせに繋げることができます。
また、既存顧客が目を通す雑誌や広報誌から採用サイトに誘導すれば、企業への関心が高いファン層からの応募増加に期待できるでしょう。
さらに、オフラインで開催したセミナーやイベントの配布資料や講演内容を自社サイトやブログでアーカイブとして公開することで、当日来場できなかった人にも情報を届け、接点を増やすことが可能です。
このように組み合わせ次第で、情報発信の幅が広がり、さまざまな相乗効果が生まれます。
SNSを活用した集客
SNSは広義のオウンドメディアのひとつに位置付けられます。ブログやECサイトとの相性が良く、併用して情報発信をおこなっている企業も多く見られます。
例えば、ブログで公開した記事をSNS上に投稿することで、普段Web検索をあまり利用しないユーザー層にも情報を届けることが可能です。
また、SNSの大きな強みはその拡散力にあります。ユーザーの関心を引くコンテンツやトレンドをとらえた情報は、短時間で多くの人たちへ広がる可能性があります。
その結果、SNS経由でオウンドメディアへのアクセスを集めることができ、集客やブランド認知の向上に繋げることができます。
ただし、SNSを効果的に活用するためには、費用がかかり、時間も必要です。リソースに余裕がある場合は、積極的に導入を検討するとよいでしょう。
オウンドメディアの役割とは?

オウンドメディアは種類によって果たす役割が異なります。目的に合わせて最適なメディアを選択して、効果的に運営しましょう。ここでは4つのパターンをご紹介します。
リード獲得
オウンドメディアの重要な役割のひとつは、自社の商品・サービスに関心のある見込み客(リード)の獲得です。
例えば、自社ブログで専門性を活かしたコンテンツを制作・発信することは有効な手法のひとつです。定期的にユーザーにとって価値のある情報を届けることで、信頼感が生まれ、その結果、問い合わせや資料請求などのアクションを引き出しやすくなるでしょう。
また、記事内に「問い合わせボタン」「資料のダウンロードフォーム」「メルマガ登録ボタン」などの動線をわかりやすく配置することで、ユーザーがスムーズにアクションを起こすことが可能になります。
オウンドメディアからリードを獲得するためには、質の高いコンテンツの提供と適切な導線設計の両方を意識することが大切といえるでしょう。
認知度の向上
オウンドメディアで情報を発信することで、これまで接点がなかったユーザー層にも自社の商品・サービスを知ってもらうことが可能になります。
とくに、SEO対策を施して検索エンジンの上位に表示させることができれば、そのキーワードで検索をしてきた多くの人に情報を届けやすくなります。
例えば、アクセサリーを販売する企業が「シルバー お手入れ方法」や「シルバー 真鍮 違い」といったキーワードを意識したコンテンツを制作することで、アクセサリーに関心のあるユーザーを、自然と自社のオウンドメディアへと誘導することができます。
さらに、拡散力の高いSNSと連携すれば、検索エンジンをあまり使用しない新たなユーザーとの接点も生まれます。これにより、一層認知度の向上を図ることができるでしょう。
ブランディング力の強化
オウンドメディアを活用することで、商品・サービスの魅力はもちろん、開発に至るまでのストーリーやコンセプトなど、企業の想いを効果的に伝えることができます。
このようにして、企業らしさを打ち出すことは、他社との差別化を図るうえで非常に有効です。また、ブランドに共感してくれるファンの獲得にもつながります。
また、文字だけでなく動画や画像など視覚的に訴求できるコンテンツを組み合わせることで、ブランドイメージをより印象的に伝えることが可能になります。
採用活動
オウンドメディアを活用して企業のカルチャーや働き方、社員インタビューなどを発信することで、求職者により深く自社を知ってもらうことが可能になります。
現代では、求人情報をインターネット上で簡単に得られる一方、求人サイトに募集要項を載せるだけでは他社との違いが伝わりにくく、優秀な人材を逃してしまう可能性があります。
そのため、単なる募集内容の掲載にとどまらず、企業の魅力や価値観、職場の雰囲気など丁寧に発信することが重要です。
このようなコンテンツを通じて、応募者は入社後の働く姿をイメージしやすくなります。結果として、企業の価値観を理解し、強く共感してくれる応募者を集めやすくなるというメリットが期待できます。
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