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旭ホームズ株式会社
売上アップや集客、認知向上等を目指すうえで、今や欠かせないWebマーケティング。多くの企業や組織がさまざまな施策を行っていますが、施策を柔軟に行わないと思わぬ弊害が生まれ、新たな課題が顕在化する可能性も秘めています。
広島市に本社を置く旭ホームズ株式会社は、建物の新築やリフォーム・リノベーション、不動産取引、メンテナンス等、戸建て住宅に関する事業をワンストップで行う地域密着型企業。HPを集客ツールとする取り組みを早くから実践してきましたが、高い発信力の裏で予期せぬ課題が生まれ、対策が求められていました。
そこで「量」から「質」への転換を図り、Webマーケティングを新たなフェーズへ進めた同社でしたが、どのような背景があったのでしょうか。当時の課題から転換後の変化、未来への思い等、さまざまなお話しを代表取締役 末岡京子様と営業部長 名藤健治様に伺いました。
ー MUサービスにWebマーケティングをご依頼いただく前の取り組みについて教えてください。どのような施策を行っていましたか?
名藤様:
HPを発信の軸において集客できるのではと考え、当社で導入したのが今から17、8年ほど前でした。当時はHPから家を購入したり、リフォームしたりするのは一般的ではありませんでしたが、他にお客様が工務店や建築現場の情報を知る方法もありませんでした。
そのため、自分たちでできることに魅力を感じ、導入以降はHPからひたすら情報を発信していたんです。おかげで仕事が取れるようになり、新築住宅の受注につながったり、リフォームやリノベーションでもたくさんのお客様との関係性を構築したりすることができました。
ー 結果を伺いますと、御社の狙い通りだったように思えますが……。何か別の課題があったのでしょうか?
名藤様:
それまでに何度かWeb制作会社を変えて依頼していましたが、いつの間にかHPのインデックスが1万5,000ページほどと膨大な数になっていて、当社のブランディングという点で疑問を持ち始めたのです。
どういうことかと言うと、それまでは幕の内弁当のようになんでもかんでも掲載していたんですね。それこそガスコンロ1つの交換、水洗金具の交換1つですらコンテンツとして情報発信していましたが、いつしか当社が最も顧客にしたい皆様からの引き合いがなかなか来なくなり、稼働量ばかりが増えていました。最初はうれしくて一生懸命にがんばっていましたが、次第に真のターゲットへ効率良く訴求する必要性を感じ始めたのです。
ー 御社における、Webマーケティングのターゲットはどのような人たちなのでしょうか。
名藤様:
年齢は問わず、高性能な建物の新築やリノベーションをしたい方となります。
当社はもちろん「来るもの拒まず」の工務店ですし、自分たちがお客様を選べる立場でもありません。ですから、すべての引き合いやお問い合わせにも丁寧に対応していましたが、いかんせん従業員が10名しかいないため業務にしわ寄せが生じていて、スリム化せざるを得ないという判断を下したのが、HPの移行時期と重なっていたわけです。
ー そのようなタイミングで、MUサービスを知っていただいたそうですね。
末岡様:
はい。現在はSATORI株式会社の執行役員・高畑さんとの出会いがきっかけです。一度お話しを伺ったことがあって、広島県へ講演に来られるとのことで名藤にも同席してもらい、彼にも聞いてもらいました。すると興味があるとのことだったので、アポイントを取らせていただいたのです。
ー 自己流でWebマーケティングを行っている企業様の場合、外部へ委託することにアレルギーを持っている会社も少なくありません。御社はMUサービスにご依頼いただく前にも制作会社が入っていたとお伺いしましたが、感覚としてはいかがでしたか?
名藤様:
コストも含めて大きな費用になるので、確かに最初は勇気がいることだと思いました。抵抗という感覚とはまた違いますが、自分自身もあまり工数をかけずに集客したい方なので、気になったのは確かでしたね。ですが、コストをかけた分だけしっかりとフィードバックをしていただけるので良かったと思います。実質的に、HPが24時間働いてくれる人になっているようなものですから。
今思うと、当時の何となく受け入れ難い空気感は、自分たちで何とかするという覚悟が足りなかったのかもしれません。今はコストがかかりますが、「かけた分だけしっかりと仕事を取れるようにがんばろう」と前向きなマインドになっています。
ー そのなかで、なぜMUサービスにご依頼いただいたのですか?
名藤様:
その時はページ数もコンテンツも膨大でしたが、唯一MUサービスさんだけが当社のページを細かく解析してくれたんです。そして必要なページ、不要なページをしっかり精査してからご提案いただきました。そのうえで、「やりましょう」と言い切ってくれたところだと思います。
実は、ほとんどの会社がページ数とインデックス数を見て諦めてしまったんです。無理なので新しいコンテンツを作っていきましょう、と提案をいただいたのですが、その新しいコンテンツがどこかで見たことがある建築会社のコンテンツのようで、コピーじゃないかと思うのが多かった。それってわかりますよね。見た目はきれいですけど、通り一遍のものを提案されている気がして、何と言いますか「ときめかなかった」んです。
でも、MUサービスさんだけは結構こってりとした解析をしてくれて、当社の強みも弱みも理解された上で、デザインでもしっかり対応していただきました。残したいものはしっかり残していただいただけでなく、継続的な伴走支援をしていただける点が大きかったですね。
末岡様:
名藤が言ったように、HPをみていただいた上で、その分析と今後の展開をしっかりしていただきました。
やはり、一番の決め手は「熱意」だったのではないでしょうか。「やります」と言い切っていただいたことに、名藤は信頼感を持てたと思います。
ー MUサービスにご依頼いただいた後について教えてください。数値的な部分で何か変化はありましたか。
名藤様:
HP単体では、入って来られる方がむしろ減ったと思います。ですが、これまでのような不特定多数の方々ではなく、当社が求めている顧客によりピンポイントでリーチしていますので、減っていることは気にしていません。
また、会社としては高性能な新築リノベーションを希望されている方からの引き合いが増えたと思います。数値的には請負単価が増えていまして、物価高も要因なのかもしれませんが徐々に高くなっている気がしますね。
ー MUサービスでは、ほかにどのようなWebマーケティング施策を依頼しているのですか?
名藤様:
HPのほかには、Instagramの運用とGoogleマップのMEO対策です。
日々の投稿ではネタ探しに苦労していますが、レスポンスを肌で感じるのでやりがいがありますね。例えばブログはなるべく毎日更新していますが、日々更新することでどんな話題に反響があるかがわかるようになってきました。
今であれば、現場をきれいに施工しているといったコンテンツに施主様が反応してくださり、リノベーションのビフォー・アフターをわかりやすく見せて投稿すると、お客様からの反響が大きいです。その時々によって刺さるコンテンツが違いますが、続けていることで、そんな傾向の変化に気づくようになっているのかもしれません。
ー 先ほど、MUサービスにご依頼いただく前はありとあらゆる情報をHPに載せて業務にしわ寄せも生まれていたと伺いました。稼働面は改善されましたか?
名藤様:
MUサービスさんにお任せすることで、お願いすることも増えました。そのことで生じる業務を省力化できているので、できた時間を別業務に割くことが可能になりました。そういった意味でも私たちの稼働が上がったのは間違いありません。
ー 社内の反響やお客様からのお声はいかがでしょう? 特筆すべき変化はございましたか。
名藤様:
反響ということではありませんが、社内的にはWebマーケティングに対する意識改革が自然と起きていると思います。これまでは外部を使わず、自己流で対応していた経験から、「納期」という点では意識は薄かった。自分たちで発信するわけですから、「いつかやればいいや」といったさぼり癖がどうしても出てしまうんですね。
ですが、今はMUサービスさんが進捗をその都度確認してくれます。こちらで忘れていても「〇〇の確認はいかがでしょうか?」と適切にご連絡をいただける。外部の方が入れば、ある意味で自分たちの都合は言い訳になりませんし、外部の方にもいろいろなスタイルがあるなかで、MUサービスさんは柔軟に対応していただきつつ、しっかりとリマインドもしていただいています。
ー 特に自分たちでWebマーケティングに対応していると、本業が多忙だったりすればどうしてもそちらを優先してしまいますよね。
名藤様:
はい。甘えがちになりがちですが、MUサービスさんはそこをしっかりハンドリングしてくれます。
また、お客様からはHPが見やすくなったというお声をいただいています。実は最初にご提案をいただいた際に、導線がわかりにくいという課題がありました。もしHPを見て当社に関心を持っていただいても、問い合わせフォームがかなり深いところにあってわからなかったわけです。ですから、そこは改善されています。
見た目にも良いとは言えませんでしたが、こちらも改善していただき、ブログやコンテンツを見たお客様から高評価をいただくことが増えたと思います。
ー MUサービスで、特に評価の高いポイントがあれば教えてください。
名藤様:
私たちのつくる家が、Web上で上質に見えることです。これはとても良いことでして、先ほどお話ししたように実際に請負金額が数百万単位で上がっています。HPを通して、当社がつくるのはローコスト住宅ではないという認識を持っていただけています。
また、単なるリフォームではなく特別な断熱気密や耐震機能を施した2,000万、3,000万円規模のリノベーションを行っていて、他社様からは「どうやって受注しているの?」という話は聞きます。私たちからすると普通の感覚ですが、その意味でもHPがかなり売上に寄与していると思います。
あとは、施工写真をブログに載せるととても評判が良くなっていますね。お客様が品質の裏側まで見えるように訴求していますので、その点をご評価いただいているのではないでしょうか。
ー 今後、MUサービスでどのようなことに期待していますか?
末岡様:
お問い合わせをもっと増やしたいですね。具体策と言えるかはわかりませんが、勉強会や地域貢献活動など、私たちの取り組みをうまく発信することで、上質な家をお求めのお客様にお届けするブランディングにできないかと考えています。
また、ある新規のお客様に伺いましたが、「社長の言葉を見て、こういう価値観の会社であれば私たちに寄り添って話してくれるのでは」と思い、お問い合わせいただいたそうです。ご年配の方でしたが、こうした社長としての理念や思いをストーリーにすることも、お問い合わせを増やすきっかけになるかもしれないと考えています。
名藤様:
現在、難しさを感じているのが35歳以下の集客です。Instagramだけでもないし、他のコンテンツだけでもない気がしていて、つかみきれていない感覚です。しかも今後はAIの利用が増えるなかで、彼らが果たして「工務店」というキーワードで検索するかどうかもわかりません。人口が先細りする社会で20代から35歳くらいの方にどうすればご縁をいただけるのか、MUサービスさんと一緒に探っていきたいですね。
ー 若い方の検索意図をつかむことが課題、というわけですね。
名藤様:
課題というより、危機感を持っています。お客様の検索行動や情報収集が3年おきくらいの短いスパンで変わっている気がして、集客で特に35歳以下の方はなかなか検索されません。そんな傾向はもう少し先と思っていましたが、すでに来ているのではないでしょうか。
ー 今後の展望、ビジョンをふまえた未来への思いを教えてください。
末岡様:
地域の活性化を図りながら、自分たちの強みを生かしてお客さんに選んでもらえる工務店として輝いていきたいですね。
当社がある五月が丘という地域から、元気を生み出して周囲にどんどんと広げていきたいと思っています。そのためには工務店の必要性が生まれてくると思うので、旭ホームズによる五月が丘発の地域活性への取り組みが、広島県のモデルになっていくことを目指します。
また、当社社員は一人ひとりで違った強みを持っていますから、そこに光を当てた組織をつくり、質の高いサービスを提供することで利益をしっかり取れる会社になりたい。利益がないと未来はつくれないと思うので、MUサービスのお知恵を借りながらもっともっと行動していきたいです。
名藤様:
それは私たちのミッションだと思います。工務店の使命はとても大切で、今までは家を「売る」人が重宝される業界でした。でも、これだけ人が減って家が余っている状況では、家を「つくる」人、「直す」人が大切ということに気づいていただきたい。私たちもそうですし、職人さんや現場監督さんも社会ではとても重要な仕事と思いますから、志をもって頑張りたいですね。
また、当社でつくる建物は非常に環境性能が高く、未来にもさほど負荷をかけないと自負しています。そのため自分たちの代だけではなく、子供たちが安心して住める未来をつくっていけるのではないでしょうか。
そういう家づくりをできる人が地元にいて、しかも小さな工務店の人たちということを、できればたくさんの人に知っていただきたいんです。そのためにHPは非常に重要だと思うので、少しでも発信していきたいですね。
ー お話しを伺いまして、改めて御社の理解が深まるとともに、Webマーケティングにおける量から質に至る変遷と、当社がどう関わっていったかを再確認させていただきました。今後はさらに御社のブランディングや理念もふまえた発信のお手伝いをさせていただき、さらなる事業成長に貢献していきたいと思います。
本日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。
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