オウンドメディアを立ち上げる際には、目的の明確化やコンセプト設計、ターゲット設定など、やるべきことが多岐にわたります。そのため、何から着手すべきか迷ってしまうケースも少なくありません。
この記事では、オウンドメディアの基本的な立ち上げ手順について解説します。また、立ち上げにかかる費用の目安や、成功へと導くためのポイントもまとめました。
オウンドメディアの導入を検討している企業のご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
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オウンドメディアを立ち上げる手順
オウンドメディアをゼロから立ち上げる基本的なステップを9つに分けて解説します。
①目的・目標を決める
まずは、「なぜ、オウンドメディアを立ち上げるのか」という目的を明確にし、チーム内で共通認識を持つことが重要です。
- 企業やブランドの認知度を高めたい
- 見積もりの問い合わせを増やしたい
- 商品・サービスの理解を深めてもらいたい
- 採用の広報の一環として活用したい
- メルマガへ登録を促しリードを獲得したい など
このような方向性が曖昧なまま進めてしまうと、コンテンツの制作や運用方針において、軸がブレてしまい、効果的な運用が難しくなる可能性があります。また、次のステップである「コンセプト・ペルソナ設定」にも支障が出るため、最初の段階で決めておくことが大切です。
さらに、オウンドメディアは立ち上げた直後にすぐ成果が出るものではありません。場合によっては、成果が出る前に打ち切りとなるケースもあります。そのため、評価の基準となる数値目標や、継続の可否を判断するタイミングもあらかじめ設定しておいた方がよいでしょう。
関連記事:オウンドメディアの目的とは?運営を成功させるために目的を明確に持とう
②コンセプト・ペルソナを決める
つづいて、「誰に向けてどのような情報を発信するのか」を決めるステップです。
コンセプト設定
まず、コンセプトとは、オウンドメディア全体の価値観を表すものです。簡潔にメディアの特徴や目的が伝わる言葉にすることがポイントです。
コンセプトの例としては、以下が挙げられます。
- 中小企業のための、事例から学ぶ経営メディア
- 法人営業の成果を最大化するメディア
- わからないをわかるに変える。はじめてのマネープラン
- 一人暮らしの学生向け◎料理の基本ガイド
このように、誰のどのような課題に対して価値を提供するのかが一目でわかる表現を意識しましょう。
ペルソナ設定
ペルソナとは、メディアの主な読者像を具体的に描いたもののことです。性別や年齢、職業や抱えている悩みなどをできるだけ細かく設定します。
- 32歳女性
- 東京在住
- 独身
- 一人暮らし
- 営業職
- 年収390万円
- 残業が多く体力的に辛い点が悩み
- 転職活動中
- キャリアやお金に関する関心が高い
- 通勤時にスマホで情報を収集
このようにペルソナを設定することで、「どんな情報を、どんな語り口で届けるべきか」が具体的になります。また、サイトのデザインや文体を決めやすくなるといったメリットもあります。
なお、多くの人に読んでもらいたいからといって、ターゲットを広げすぎると、逆に誰の心にも刺さらない曖昧なコンテンツになってしまうため注意しましょう。
③必要な機能を選定する
オウンドメディアを立ち上げる際には「どのような機能が必要か」をあらかじめ洗い出しておくことが重要です。
例えば、多くのメディアでよく利用される機能として以下が挙げられます。
- 記事投稿・編集システム(CMS)
- カテゴリ・タグ設定機能
- サイト内検索機能
- 資料ダウンロードフォーム
- SNSシェアボタン
- メールマガジン登録フォーム
- コメント機能 など
また、メディアの成果を可視化して改善に繋げるためにも、閲覧数やクリック率、ユーザーの行動などを把握できる分析ツールの導入は欠かせません。
ただし、機能は多ければ多いほどよいというわけではありません。すべて詰め込み過ぎると、運用の負担やコストが大きくなり、かえって運営が滞ってしまうことも考えられます。
まずは、今導入したい機能と将来的に必要になるかもしれない機能を分けて整理し、段階的に活用する方法もおすすめです。
④ドメイン・レンタルサーバーなどを選ぶ
オウンドメディアの運営環境を整えるステップです。メディアを「インターネット上にある家」と考えたとき、サーバーは土地、ドメインは住所にあたります。どちらもオウンドメディアの運営にあたって欠かせない基板であるため、選定は慎重におこないましょう。
レンタルサーバーの選び方
オウンドメディアを継続的に運用していると、ときにはSNSでの拡散や一時的なトレンドにより、PVに急激な変動が起こることがあるかもしれません。
PVが増えるのは喜ばしいことですが、同じタイミングにアクセスが集中し過ぎると、表示速度の低下やサーバーのダウンに繋がるリスクがあります。
そのため、レンタルサーバーを選ぶ際には、以下に注目することをおすすめします。
- 柔軟に容量を拡張できるか
- 安定性の高さ
- 自動バックアップ機能の有無
- セキュリティ対策がしっかりしているか
- サポート体制が整っているか
上記の観点に注目しつつ、将来的なメディアの状態も見据えてレンタルサーバーを選びましょう。
ドメインの選び方
オウンドメディアを運営するドメインの選択肢としては、以下の3つがあります。
| 新規ドメイン |
|
|---|---|
| 企業サイトの サブドメインを使用 |
|
| 企業サイトの サブディレクトリを使用 |
|
企業サイトのSEO効果を活かしたい場合は、サブディレクトリが有効的です。
一方「メディアのブランドを独立させたい」「企業サイトと切り分けて柔軟に設計したい」のであれば、新規ドメインやサブドメインがおすすめです。オウンドメディアの運営目的や企業サイトとの関係性をふまえて、最適なドメインを選びましょう。
⑤デザインの実装
このステップでは、オウンドメディアの見た目(デザイン)を決めて、サイトに反映する作業をおこないます。ユーザーがサイトを訪問したときに受ける印象や、情報の受け取りやすさに大きくかかわる工程といえるでしょう。
具体的には、以下のような視覚的な要素をコンセプトやペルソナに合わせて決めていきます。
| 配色 | BtoBのサイトであれば落ち着いた信頼感のある配色 若年層向けであれば明るく親しみやすい配色 など |
|---|---|
| フォント・文字サイズ | 読みやすさと文章のトーンに合わせる |
| レイアウト | 情報が伝わりやすい設計にする |
| ロゴ | ブランドイメージが伝わるデザインにする |
デザインが決まったら、実際にサイトに反映させていきます。
CMSが提供している既存のデザインテンプレートを使用する場合は、短時間で構築可能です。専門的な知識がなくても作業しやすく、コストも抑えられます。
一方、独自性の高いデザインにしたい場合は、HTML/CSS・JavaScriptなどのスキルを持つ人や会社に依頼することになります。時間やコストはかかりますが、企業やブランドのイメージに合ったサイトに仕上げることが可能です。
⑥対策したいキーワードを選定する
オウンドメディアにおける集客のポイントとなるのがキーワード選定です。
キーワードとは、ユーザーが検索エンジンに入力する語句のことを指します。具体的には「人材採用 戦略」や「ECサイト 作り方」などです。
検索数の多いキーワードで検索結果の上位に表示されれば大きな集客効果に期待できます。しかし、そのようなビッグキーワードは競合も多く、上位を取ることは簡単ではありません。とくに、立ち上げたばかりのメディアは、ドメインパワーや記事の数がまだ十分でないため、ビッグキーワードでは上位を狙いにくいのが実情です。
そのため、検索数の多さだけで判断するのではなく、オウンドメディアの目的やペルソナ、現状のSEO評価(ドメインパワー)などをふまえて、キーワードを選定しましょう。
関連記事:基本のSEO対策8選!初めにすべき具体策や成功事例、やってはいけないことを紹介
⑦キーワードをもとに記事を制作する
⑥のステップで選定したキーワードをもとに記事制作をおこないます。そのキーワードで検索したユーザーの悩みや疑問に対して、過不足なくわかりやすく情報を届けることが良質な記事の条件。そのために、最初に必要なのは、リサーチと構成案の作成です。
まず、対策したいキーワードで実際に検索し、上位表示されている記事に目を通します。どのような要素が求められているのかを分析して構成案に落とし込みましょう。
また、自社だから伝えられる情報や経験談を盛り込むことで、競合サイトとの差別化が可能です。例としては、成功事例や独自のノウハウなどが挙げられます。
なお、記事制作を外注する場合は、レギュレーションやチェック基準を共有しておくことで、記事のクオリティを保ちやすくなるでしょう。
⑧記事を編集・公開する
記事が書き上がったら、そのまますぐに公開せず、編集・校正を丁寧におこなうことが大切です。クオリティの高いメディアに育てるためには、この最終工程が欠かせません。
具体的には、以下の点をチェックしましょう。
- 誤字脱字や文法ミスがないか
- 見出し構成が適切で話の流れが自然か
- わかりにくい表現がないか
- ファクトチェック(事実確認)ができているか
- SEO対策がされているか
- 画像や図式が適切に入っているか など
編集画面上だけで見るのではなく、プレビュー画面で実際の見え方をチェックします。スマホで表示した場合の、文章のバランスも確認しましょう。
なお、チェックが完了して記事を公開する際は、カテゴリやタグの設定、パーマリンク(URL)を誤らないようにご注意ください。
また、記事を公開したからといって、運用が終わるわけではありません。オウンドメディアの成果を挙げるためにも、公開後のユーザーの反応を分析して、必要に応じて改善するようにしましょう。
オウンドメディアの立ち上げにかかる費用

オウンドメディアを立ち上げる際には、初期費用と運営費用の両方がかかることを理解しておきましょう。ここでは、おおよその費用相場について解説していきます。
オウンドメディアを立ち上げる際の初期費用
オウンドメディアを立ち上げる際にかかる費用は、数十万円~数百万円と大きく幅があります。というのも、必要な作業範囲や、外注の有無によって費用が変わってくるからです。
| ドメイン | 1,000円~5,000円/年 |
|---|---|
| レンタルサーバー | 10,000円~30,000円/年 |
| サイト構築費 (外注した場合) | 小規模:300,000円~3,000,000円 大規模:3,000,000円~10,000,000円 |
| 記事作成費 (外注した場合) | 1文字あたり3円~6円 ※別途キーワード調査などの費用がかかる場合あり |
「小規模からはじめて段階的にメディアを拡張していきたい」という場合は、初期費用を100万に抑えることも可能です。一方、デザイン性が高く、専門性の高いコンテンツが揃ったメディアを希望するのであれば、数百万単位のコストがかかると考えておきましょう。
オウンドメディアの運営にも費用はかかる
オウンドメディアは、立ち上げた後も継続的な運用が必要です。そのため、一定のコストがかかります。
| ドメイン | 1,000円~5,000円/年 |
|---|---|
| レンタルサーバー | 10,000円~30,000円/年 |
| 新規記事作成費 (外注した場合) | 1文字あたり3円~6円 ※別途キーワード調査などの費用がかかる場合あり |
| SEOコンサルタント (外注した場合) | 100,000円~500,000円 |
ドメインとレンタルサーバーの費用は、オウンドメディアを運用し続ける限り発生する固定費です。また、新規の記事作成を依頼する場合は、本数や文字数に応じて費用が増加します。
さらに、SEOの戦略分析や効果測定、改善提案などを外部の専門家に依頼する場合は、コンサルティング費用も発生します。記事の制作やSEO分析は社内で対応することも可能ですが、スタッフのスキルや状況に合わせて、部分的に発注する方法も検討するとよいでしょう。
オウンドメディアの立ち上げを成功させるポイント

この項目では、オウンドメディアの立ち上げを成功させるポイントを3つご紹介します。
専任のチームを作り立ち上げ~運営に集中する
オウンドメディアを立ち上げた後、成果に繋げるためには継続的なコンテンツ制作が欠かせません。そのためには、片手間ではなくリソースをかけられる体制を整える必要があります。
「うまくいくかわからないから、まずは小さくはじめたい」といった理由で、他の業務と兼任のスタッフに任せるケースもありますが、あまりおすすめできません。
とくに、立ち上げ初期はやるべきことが多く、まとまった作業時間が必要になります。中途半端な体制だと継続が難しく、結果として思うような成果が得られないことも。あらかじめ、専任のチームを作り、オウンドメディアの運営に集中できる環境を整えましょう。
社内でも編集しやすいようにする
オウンドメディアを継続的に運営していくためには、誰でも迷わずに操作しやすい工夫が不可欠です。例えば、編集画面が使いにくかったり、投稿ルールが不明瞭だったりする状態では、更新作業が負担となりやがて停滞してしまう恐れがあります。
そのため、初期の段階で以下のような工夫をしておきましょう。。
- 操作が直感的でわかりやすいCMS(コンテンツ管理システム)を選ぶ
- 記事投稿時のマニュアルやルールを共有する
このような環境が整っていれば、担当者が変わったとしても質が落ちにくくなり、継続的にオウンドメディアを成長させることが可能になります。
データに基づいて改善し続ける
オウンドメディアの運営においては、コンテンツを制作したら終わりではありません。「記事公開→効果測定→改善」を繰り返すことが成果に繋げるためのポイントです。ここで重要なのは、個人の感覚や主観ではなく、数値データに基づいて判断することです。
例えば、ユーザーがすぐに離脱するページがある場合は、コンテンツが読みにくい可能性が考えられます。文章を簡潔にしたり、図や画像を挿入して視覚的に伝えたりすることで離脱率を改善できるかもしれません。
また、検索結果画面の上位に表示されているのに流入が少ない場合は、タイトルやメタディスクリプションの魅力に欠ける可能性があるため、表現を再検討してみましょう。
さらに、閲覧数は多いのにコンバージョンに至らないのであれば、問い合わせボタンや資料請求ボタンの見せ方や位置を見直すことで改善することもあります。
このように「なぜこの数字なのか」という視点で仮説を立てて、改善のための施策を考え実施することが大切です。
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