SEOの基本的な仕組みとは？期待できる効果や企業が最低限取るべき対策をまとめて解説

Webへの対策が重視される現代のマーケティングにおいて「SEOが重要」とよく耳にします。しかし、基本的なSEOの仕組みを理解していないために、その重要性や最低限行うべき具体的な対策がわからず困っているという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、SEOとは何か、基本的な仕組みや重要性はもちろん、自社サイトのSEO対策として最低限行うべきことや期待できる効果等について、わかりやすく解説していきます。これからSEO対策に注力するために、まずは基本的な仕組みを理解したいという方は、ぜひ参考としてご覧ください。

SEOとは

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語で「検索エンジン最適化」と呼ばれています。

インターネット上で特定の事柄や言葉について検索すると、検索結果としてさまざまなページが表示されますよね。SEO、または検索エンジン最適化とは、この検索結果の上位に自社サイトのページや記事コンテンツ等が表示されるように行う施策、対策のことであり、Webマーケティングの手法の一種です。

なお、この場合の検索エンジンとは、Yahoo!を含め世界の検索エンジンの主流であるGoogleと考えれば問題ありません。Googleの検索結果として上位表示されることを目指し、自社のサイトやページに対策を施すことがSEOだと理解しておきましょう。

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マーケティング施策としてSEOが重要な理由

2024年現在、業界や会社規模にかかわらず多くの企業がSEO対策に取り組んでいますが、なぜこれほど検索エンジン最適化が重要視されているのでしょうか。そこでここからは、マーケティングの一環としてSEO対策を行うべき理由、期待できるメリットについて具体的に説明していきます。

①サイトへのアクセス数増加と認知拡大が狙えるから

皆さん自身の経験からもご存じのように、ユーザーには検索結果の上位に表示されたサイトから優先的にクリックする傾向があります。

そのため、SEO対策によって検索上位に自社サイトが表示されるようになると、検索結果からユーザーがサイトに流入するケースが増え、より多くの方に自社ブランドや自社の商品・サービスについて知ってもらう機会を得ることができるのです。

ちなみに、検索結果として表示された回数に対して、実際にどのくらいリンクがクリックされたかを表すクリック率は、検索結果の順位に比例して高くなると言われています。検索結果の1ページ目に当たる1位〜10位までにランクインすることを目指してSEO対策を行えば、高い集客効果や自社の認知の拡大を狙えるでしょう。

②顕在顧客だけでなく、潜在顧客にもアプローチできるから

自社に関連するキーワードで検索を行うユーザーの中には、顕在顧客と潜在顧客が混在しています。

マーケティング用語における顕在顧客とは、既に自身が欲しい物や解決したいことといったニーズを明確に把握していて、そのニーズを満たすために高い購買意欲を持っている顧客のことです。対して潜在顧客とは、まだはっきりと自身のニーズを理解できておらず、購買意欲が低い顧客のことを指します。

顕在顧客と潜在顧客、各層の検索結果に対して自社のサイトやページが上位表示されるようにSEO対策できれば、双方への効果的なアプローチとサイトへの集客、購買促進を同時に実現できるでしょう。

③中長期的な集客効果と広告費の削減が期待できるから

SEO対策により、自社サイトが検索結果の上位に表示されるようになると、中長期的に安定した集客効果を得られるようになります。後述するSEOの仕組み上、定期的にコンテンツやサイトを更新して情報の鮮度と質を維持する必要はありますが、広告出稿と比較すると、少ない費用での集客が可能です。

SEO対策は単なる集客にとどまらず、広告費用削減という意味でも役に立つ施策だと言えるでしょう。

順位はどう決まる？SEOの要となる検索エンジンの仕組み

ここまでSEOの概要や必要性を見てきましたが、検索結果として表示されるサイトの順位はどのような流れで決定されているのでしょうか。ここからは、検索エンジンによって検索結果の順位が決まるまでの3つのステップからSEOの仕組みを解説していきます。

SEOの仕組み①クロール

クロールとは「クローラー」と呼ばれる検索ロボットが、インターネット上のあらゆるページを巡回し、情報を取得することを言います。検索エンジンの検索結果に表示されるためには、まずこのクローラーに自社のWebサイトを見つけてクロールしてもらい、情報を取得してもらわなければならないのです。

ただしクローラーは、インターネット上のすべてのページをきちんと見てくれるわけではありません。

膨大なページが存在する中でクローラーに見つけてもらい、正しく情報を取得してもらうには、クローラーが発見・巡回しやすいようにサイトの構成や内容を整える必要があると覚えておきましょう。

SEOの仕組み②インデックス登録

クローラーが取得した情報を整理整頓してデータベースに格納すると、インデックス登録が完了します。

インデックス登録されたサイトやページは、検索エンジンにとって「検索結果として表示する情報の候補」となるため、ここまで完了して初めて、サイトが検索結果に表示可能な状態となるのです。

なおクローラーは収集した情報を整理してから格納するため、インデックス登録には一定の時間がかかります。またクロールの結果、「ユーザーの検索結果として表示するには情報が薄い」「既存のページと内容が重複している」などと判断されるとインデックス登録されないリスクもあるため、注意が必要です。

SEOの仕組み③スコアリング

最後に、インデックス登録されている情報とユーザーの検索キーワードを照合し、キーワードに対する情報の質や関連性など複数の要素を踏まえて、サイトやページに順位を付けます。この順位をつける作業が「スコアリング」、そして順位を付ける際の検索エンジン独自の基準やルールが「アルゴリズム」です。

SEO対策では、実際に上位表示されているサイトや過去の施策を参考にアルゴリズムを探り、高い順位を付けてもらえるようにさまざまな対策を施していきます。

SEOを実施する上で大切なこととは？

検索エンジンがサイトやページを上位表示する仕組みを踏まえると、SEO対策を行う上で大切なこととしては、大きく以下の2つが挙げられるでしょう。

Googleの考え方を理解すること

検索結果の順位は、検索エンジン独自のアルゴリズムによって決定されます。そのためSEO対策を行うなら、まず検索エンジンを制作・提供しているGoogleがサイトを評価する基準について、ある程度理解しておかなければなりません。

Googleが検索結果のランキング決定を行う上で重要視していることは、ユーザーファーストであるかどうか、つまり、検索するユーザーにとって有益な情報が含まれたページであるかどうかという点です。

ユーザーにとって有益な情報を提供すること、またユーザーにとって見やすい・使いやすいサイトを構築することが、SEO対策につながると理解しましょう。

クローラーへの対策も行うこと

先述した通り、まずクローラーにサイトの情報を取得してもらい、インデックス登録をしてもらわないと検索結果の上位に表示されることはありません。そのためSEO対策では、ユーザーだけでなくクローラーにとって見つけやすい、見やすいようにページ構成等を工夫・調整することも大切になってきます。

SEOでは、ユーザー（人）と検索エンジン（プログラム）のそれぞれに向けた対策が必要になると覚えておきましょう。

仕組みを踏まえ、最低限実施すべき3つのSEO対策

検索エンジンの仕組みを利用し、ユーザー・クローラーからの評価を高めるために行うべきSEO対策は、大きく「内部施策」と「外部施策」の2種類に分けられます。これら2種類の違いは、大まかに下記の通りです。

• SEOの「内部施策」とは：サイト自体をユーザーやクローラーから評価されるように改善する施策
• SEOの「外部施策」とは：外部サイトから被リンクを獲得する等のやり方でサイト評価を高める施策

自社サイトを検索上位に表示させるために、最低限実施しておきたい内部施策・外部施策の具体例としては、以下の3つが挙げられるでしょう。

【内部施策】コンテンツSEOを実施する

コンテンツSEOとは、ユーザーが求めている・ユーザーに役立つ良質なコンテンツ（情報）を継続的に提供することにより、ユーザーとクローラーの評価を高め、検索結果への上位表示を狙うマーケティング手法です。

具体的には自社と関連があるキーワードのうち、自社の顕在顧客・潜在顧客に届けたい情報、かつ自社が解決できる課題や悩みに関するキーワードを対策キーワードに設定。これらを検索したユーザーにとって有益な情報をコンテンツとしてまとめ、それらを発信して、検索から自社サイトへ集客することを目指します。

コンテンツSEOの具体例としては、以下の一覧に挙げたようなものが考えられるでしょう。

• オウンドメディア等、ユーザーの検索ニーズに合わせたコンテンツの制作
• 自社だからこそ出せる専門性が高い情報、オリジナルの情報を含めたコンテンツを作る
• 文章はユーザーが読みやすく、内容に適した文字数・キーワード数になるように書く
• 情報が重複しているページの有無を確認し、必要に応じて削除・整理する
• 古くなった情報やページは適宜リライトして、信頼性を上げる　など

なお対策キーワードを決定する際には、競合サイトやキーワードの検索ボリューム（一定期間の間にどのくらい検索されているか）も加味した上で、自社が上位表示を狙えるキーワードを選定しなければなりません。

あまりに検索ボリュームが多いキーワードだと、競合他社が多く、上位表示させるのが難しいケースが多いため、注意が必要です。

【内部施策】テクニカルSEOを実施する

ユーザーにとって見やすいこと、役に立つことに重点を置いて内部施策を行うコンテンツSEOに対し、テクニカルSEOは検索エンジンが見つけやすく、正しく情報を読み取れるように行う内部施策のことを言います。

具体的な例としては、以下のようなサイト内部の構造や設定を改善するための施策がテクニカルSEOに当たるでしょう。

• サイトやページの構造を表すHTMLタグを最適化する
• 検索エンジンに向けたサイトマップであるXMLサイトマップを作成する
• サイト構造がわかりやすくなるように、サイトにパンくずリストを設置する
• 記事など文章メインのページは、titleや見出し、本文の区別が付くようにタグ付けする
• titleタグには必ず対策キーワードを入れ、画像には内容をテキストで説明するaltタグを入れる
• パソコンだけでなく、スマートフォンでも見やすく表示されるよう最適化する
• 1つのページに複数のURLが存在している時は、一つに統一してURLを正規化する
• ユーザーが使いやすいサイトだとわかるように、サイト内リンクを最適化する　など

【外部施策】外部から被リンクを獲得する

被リンクとは、他社等の外部サイトに自社サイトのリンクが掲載されることで、別名「バックリンク」とも呼ばれるものです。その他、SNS等において第三者にリンクをシェアしてもらったり、企業名や商品名、サービス名等に動画で触れる、または記載してもらうこと（サイテーション）ができれば、検索エンジンから「第三者から紹介されるほど価値のあるサイト、コンテンツ」という評価を得られるため、SEO対策になります。

ただこのような外部施策は、コンテンツSEO等の内部施策の結果として発生するものであり、自社でコントロールできるケースは少ないです。そのためSEO対策に注力するなら、まずは少しずつ内部施策を実行していくことをおすすめします。

仕組みと一緒にチェック！SEO対策の注意点

ここまで検索エンジンに自社サイトを上位表示させるために把握しておくべき仕組み・考え方や、必要なSEO対策を紹介してきました。SEO対策は重要な取り組みである一方、事前に理解しておかなければならない注意点もあります。最後にその注意点について解説していきます。

注意点①成果が出るまでに時間がかかる

キーワードやサイト全体としての運営期間、信頼性等によっても変わりますが、SEO対策では取り組み始めてから成果を感じられるようになるまでに最低でも半年〜1年ほどの時間がかかるものです。

そのためSEO対策は、1週間や1か月といった短期間で結果を出そうと考えるのではなく、中長期的な視点で継続的に取り組む必要があります。

注意点②コンテンツを管理・更新し続ける必要がある

先にお伝えしたとおり、Googleが評価するのはユーザーにとって有益なコンテンツです。そしてその評価基準には、情報の質とともに情報の鮮度、つまり更新頻度も含まれているものと認識されています。

そのため一度公開したコンテンツについても、ユーザーにとって有益なコンテンツであり続けるために、古い情報の修正や新しい情報を追加するためのリライト等の更新を定期的に行わなければなりません。

注意点③アルゴリズムの変動の影響を受ける

Google検索のアルゴリズムは、一定期間ごとにアップデートを実施しています。アップデートによってアルゴリズムが変更されると、検索結果の表示順位が大きく変動することがあり、これによってサイトの集客力が一時的に低下してしまうこともあるため、注意が必要です。

このようなアルゴリズムの変化による順位の変動に対応するためにも、自社が発信する情報がユーザーにとって満足度の高いものであり続けられるように、定期的なコンテンツの見直しや更新を行いましょう。

注意点④ペナルティを受けないよう注意する

Google検索エンジンのアルゴリズムに沿った対策を行うと検索順位の上昇が見込める一方で、アルゴリズムに反するような施策を行うと「ユーザーにとって良くない情報、サイト」と判定され、数か月にわたって順位を上げない、大幅に下落させるといったペナルティが課される場合があります。

ペナルティの対象となるような施策の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。有効なSEO対策とともに、ペナルティの対象となる避けるべき施策についても理解しておきましょう。

• コンテンツ中に対策キーワードが過剰に詰め込まれている
• ユーザーの役に立たないと考えられるコンテンツが、大量に生成されている
• そのコンテンツやサイトに関係のないリンクが過剰に貼られている
• 他サイトから無断で複製されたと考えられるコンテンツを掲載している
• 隠しリンク、隠しテキストが挿入されている　など

検索エンジンの仕組みを理解し、SEOによる集客力を高めよう！

SEO対策が必要な理由、検索エンジンの仕組み、SEO対策の種類や注意点などについて解説しました。

SEOは、自社サイトを検索結果の上位に表示して新たなユーザーとの接点を生み出したり、顕在・潜在顧客に対して自社サイトへのアクセスを促す上で有効なマーケティング手法です。

自社サイトを上位表示させるためには、自分たちが伝えたい知識や情報を詰め込むだけでなく、ユーザーのニーズに合ったコンテンツを作り続けることが重要になってきます。SEO対策は、基本的な仕組みを理解した上で、検索エンジンを活用できるようにポイントを押さえて進めていきましょう。

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