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マルヰ産業株式会社
「中小企業は、経営資源が足りないから戦えないのでは?」という懸念をお持ちの企業も少なくないと思います。大手企業に対抗したり、時代の変化に対応するには多くの時間や費用がかかり、難しいという印象があるのではないでしょうか。
不織布製造において、長く下請けの仕事に携わってきたマルヰ産業株式会社様も同様の懸念をお持ちだった企業のひとつです。
有力な大企業が業界内にひしめき、自社の認知拡大は難しいと感じていた同社ですが、Webマーケティングを導入して見える景色が大きく変化しました。
自社サイトが検索上位に表示されるようになり、これまでお付き合いのなかったさまざまな業界からのお問い合わせも入るように。
どのように実現したのか、同社の代表取締役 井田雄公様にお話を伺いました。
目次
ー マーケティングユニット(以下、MU)にWebマーケティングを依頼される以前は、どのような課題があったのでしょうか?
弊社は長年にわたり、大手不織布メーカーの下請け仕事を中心に工場を運営してきました。しかし大量生産・大量消費時代の終焉とともに、お客様の状況によって仕事が減ったり偏るといったことがよく起きるようになりました。
そこで下請け仕事だけではなく、直接取引できる新しいお客様の獲得を目指さないと「自社の継続的な成長は難しい」というところに行き当たったんです。
ー 以前はどんな形での営業活動が多かったのですか?
大手不織布メーカーからいただく開発や試作のご相談、または大手総合商社の繊維部からのご相談から始まる下請け仕事が主流でした。こうした下請け仕事は現在も継続しています。
こちらから積極的に営業活動をするというより、既存のお客様からご相談をいただき仕事が始まるケースばかりでした。
ー 40年の歴史の中で培われた既存のお客様からのご相談ということですね。御社には新規開拓営業担当者はいなかったのでしょうか?
そうなんです、いませんでした。主に先代の社長(現在は会長)がひとりで新規開拓をしていて、それ以外に新たな市場を開拓しようという積極的な動きはありませんでした。
ー時代が変わりましたね。真逆の動きの中で、会社をまとめるご苦労などもあるのではないかと。新たなお客様開拓について考え始めたのはいつ頃だったのでしょうか?
私が入社した2011年頃からです。10年以上前に遡るのですが、当時の社長が掲げていた「現在のお客様を大事にしながら、新しいお客様の獲得も目指していこう」という方針を現在も引き継いでいます。
しかし不織布業界で新しい取引先を作っていくことは容易ではなく、現在もまだ目標に向かって走り続けている状況です。
ー どのような経緯でMUにWebマーケティングを依頼されましたか?
きっかけは大きく2つあります。ひとつ目は、信頼している経営者にMUをご紹介いただいたこと。次に、Webから商談に結びついた他社の事例をMUに教えていただき、とても良いなと思ったことです。
当時の私は、自社のWebマーケティングをどうすればよいか全然わからない状態でした。ITの知見がある者は社内にいませんでしたし、Webを駆使したマーケティング活動は専門的な人材が社内にいなければ実現できないと思っていました。
ですので、Webマーケティングを行うには人材確保のための「時間と費用」が沢山必要だろうな、だから「現在の私たちの経営資源では難しい」と思い込んでいたんです。
ー なるほど。完成品にこだわる製造業、ものづくりをされる職人気質ならではの発想かもしれませんね。Webマーケティングは走りながら内容を更新していく場面も多いので、製造業のマインドセットにはない動きがあります。
そうですね、すごく難しく考えていたと思います。
もっと大きな会社は不織布業界には沢山ありますので、そもそも弊社のことを知ってもらうのは難しいだろうな、と。
しかしMUに事例を紹介いただくうちに、Webマーケティングは私たちにもできると知りました。であれば、私たちが長年ずっと目指してきた新しいお客様の開拓にもつながるのではないか、と考えました。
これが、WebサイトのリニューアルとWebマーケティングをMUに依頼したきっかけです。
ー MUを選んだ決め手は?
「単純にデザインをリニューアルするだけでは、現在のWebサイトと成果は変わらない」と教えてくれたのがMUだったんです。
「Webサイトのデザインを変えれば、社内は盛り上がるかもしれない。でも、より多くの方に届けるためのマーケティング活動を行わなければ、届けたい方に届かない」と言われたんです。
そういうことを教えていただけるのはとてもありがたかったですし、MUなら今後も色々教えてくれて、もっと深くWebに取り組めるのかなと思いました。
ー 「営業ツールとしてのWebサイト」という話をする会社は少なかったのですね。
そうですね。
ー 実際にWebマーケティングを外注して、メリットはありましたか?
メリットは沢山感じていますが、新規の問い合わせ件数が増えた点は大きいですね。
Webマーケティングを開始して、まずは集客=Webサイトの閲覧数がどんどん増えるようになりました。その後、Webサイトを見た方からの新規の問い合わせにつながりました。
2022年から本格的に成果が出るようになり、1年間で17件の新規の問い合わせをいただきました。正直なところ、こんなにも新規の問い合わせをいただくのは会社としても初めてです。
今年も引き続き閲覧数は増えていますし、2023年9月の時点で15件のお問い合わせがありました。以前のWebサイトでは年に1~2件のお問い合わせしかなかったので、新しいご縁が生まれている実感があります。
ー実際に、どんなお客様からのお問い合わせが増えたのでしょうか?
思わぬ内容も含めて、多岐にわたるお客様からのお問い合わせをいただいています。
生活用品、建築関係、専門的な分野で必要とされるニッチな不織布など、私たちもこれまで関わったことのない業界も含めてさまざまな企業からご連絡をいただきました。最近ですと、大学の産学共同研究の相談やリサイクルに関するお問い合わせも複数ありました。
全く異なるジャンルの方々と繋がれるのもWebマーケティングならではですし、貴重な機会ですね。
ー 触れることができる「モノ」を扱う製造業の方々にとって、「Webマーケティングは得体が知れない」というイメージをお持ちの方も少なからずいるのではないかと思います。Webマーケティングの導入に際して、社内から反対の声などはありませんでしたか?
Webマーケティングについて話してみても、うまく価値が伝わらないといいますか……。以前の私もそうだったのですが、おそらく私たちのような他の製造業の企業も同じように感じていると思います。
例えば、Web上のコラムは会社にとってどんな業績や成長につながるのか、なかなか伝わらない場面もありました。Webサイトのリニューアルなら「新しいWebサイトの完成」がゴールとなり共有しやすいのですが、Webマーケティングの継続的な運用ではどのような必要性があるのか伝わりづらかったと思います。、気持ちは理解できるのですが……。
こうした疑問をMUが丁寧にサポートしてくれるので、現在はWebマーケティングの価値がきちんと伝わるようになりました。
ー 社内からの反応が変わったな、と感じた出来事はありますか?
Webマーケティング導入直後は、やはり色々な声がありましたね。
コラムを作っても、「こんなコラムを誰が見るのか」と言われたこともあります。
と同時に、「自分たちが勉強になります」という工場長クラスの社員からの前向きな声もありました。本来なら自分達が勉強して語れるようにしておくべき知識がコラムに書いてある、と。
なかでも物凄いインパクトがあったのは、「実際に問い合わせが増えている」という事実です。SEO対策の成果で、あの上場企業よりも弊社のWebサイトが検索上位に表示されているということも大きいですね。
「世の中に自社を知ってもらえている」と感じる場面が増えるにしたがって、「新しい仕事が始まるのでは」という希望感が社内に広まりました。
社内発表でこうした成果を伝えることで、社内からも前向きなコメントをもらえるようになり、「もっと力を入れよう」という雰囲気になっていると思います。
ー 目に見える成果を共有することが、1番説得力があるのですね。
そうですね。中小企業でも、Webの力を借りれば新しいアピールが世の中にできると感じました。
「弊社にもまだまだできる」「新しい機会を作る力がある」と、MUには可能性を広げていただけたと感じます。
ー ちなみに、現在の不織布業界の景気はどんな状況ですか?
不織布業界の景気は偏っていますね。例えば自動車関係の不織布ですと、コロナ禍の影響で入手できなかった部品がやっと揃い、自動車の生産ができるようになりました。ですので、早く沢山生産しようと非常に忙しくなっている状況です。
その反面で、マスクや医療関係の不織布は需要も落ち着いたようです。
多忙なジャンルと厳しいジャンルの二極化が進んでいます。
ー 御社ではどのように時代の変化に対応しているのでしょうか?
弊社の強みは、大手企業では挑戦しないような独自の生産ラインを開発し、生産の効率化を実現している点です。
私たちの業界では1回の設備投資が5億〜10億円といった規模で、かなり大きな金額がかかります。ですから、新しい設備を大きく取り入れようという企業は大手でもなかなかいないんです。
しかし弊社は積極的に中古の設備を集めては組み替え、少しでも生産工程を短縮して効率化できるように創意工夫を重ねています。例えば、他社では1工程、2工程、3工程……とわたっていくものを、弊社の生産ラインなら1工程で完結させることができます。
創業当初から「設備で他社と差別化を図る」をモットーに、効率的な生産ラインを開発する努力と工夫を惜しまない姿勢を貫いてきました。
こうして弊社の強みとなった効率的な生産ラインは、現在深刻化している製造業の人手不足への対策になっていると思います。
ー 効率化は、現代のニーズに合っていますね。製造業では慢性的な人材不足に悩まされていると聞きますが、実際どのくらい足りていないのでしょうか?
全然足りてないのですが……理想に対して2割くらい足りてないような感覚でしょうか。
弊社の生産ラインは他社より効率的に生産できますが、これだけでは人手減少のスピードに追いつけないという懸念もあります。
ですから今後は、弊社の強みをより活かせるゾーンへの挑戦も進めています。
ー 働き手が急激に減少するなかで、今後どのような差別化を図っていくのでしょうか?
まだ構想を深めている段階ですが、生産工程の一部を自動化してさらに効率化を図ります。
不織布生産の設備に欠かせないシーケンサーやインバーター。これまで人の手で操作していたこれらの箇所を、自動化し電子制御する取り組みを開始しました。
操作の一部を自動化すれば、限られた人数でも生産性は高くなりますし、何億もするような設備の入れ替えを行わなくても競争力を上げられます。
ー 既存の設備を廃棄せずに長く使えるという点も、環境保護の面からも今の時代に合っていますね。
人的操作による生産ロスも解決できますし、製造業全体の困りごと解決になると考えています。
電子制御を進めるには専門知識も必要なのですが、Webマーケティングを外注して成果が出たように、外部の専門家の力を借りながら実現に向けて努力を重ねています。
今後も新たなお客様獲得に向けて、挑戦を続けていきます。
ー 先代の時代から続く「改善と効率化」の精神が、自社の強みにつながっているマルヰ産業株式会社様。今後も引き続き新しい景色が見られるよう、Webマーケティングの側面からお手伝いさせていただきます。インタビューへのご協力ありがとうございました!
課題
対策
マーケティングユニットでは、お客様の目的に応じて短期〜中長期にわたる施策のご提案を行い、包括的なWebマーケティング支援を提供しています。
弊社に関するお問い合わせや資料請求など、下記よりお気軽にご連絡ください。