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山陽製紙株式会社
「お客様と共に循環型社会に貢献する」を理念として掲げる山陽製紙株式会社は、1928年創業、工業用クレープ紙の製造を中心に事業展開する社員44名の製紙企業です。
高度経済成長期における大量生産・大量消費や、半世紀以上も続く同じ製品でプロモーションをせずとも固定客からの注文が続く……という経験もした同社。
時代の変化に合わせて、地球の限りある資源と環境に配慮しながら、お客様と共に成長発展するという方針に転換されました。現在では、理念に賛同するお客様が集まり、単なる製紙メーカーでは終わらないパートナー企業としての立場を確立されています。
保守的な業界、歴史のある企業としては非常に珍しいとも思える転換ですが、どのように実現したのでしょうか?その実現をサポートしたWebの力について、同社の原田社長、原田専務、そして開発部リーダーの福嶋様にお話をお伺いしました。
目次
ー 御社では、どのような経緯でWebマーケティングに興味を持たれるようになったのでしょうか?
原田社長:
製紙業界は古い体質の業界です。
かつては、固定客のお客様に向けて同じものを半世紀以上も作ることも珍しくありませんでした。こちらからプロモーションをせずとも、黙っていても注文をいただけるような状況で……。
特にWebサイトの必要性は感じていなかったのですが、1995年にWindows95が登場したことが後押しとなり、その5年後に弊社でもWebサイトを作ってみることにしました。専務と娘でホームページビルダーを買って山陽製紙の企業サイトを立ち上げました。手作り感あふれるWebサイトだったので、今考えると少し恥ずかしいのですが。
ちょうどその頃、独自のクレープ紙製造を始めたので、それをWebサイトを通じて伝えたいと思うようになりました。
そして2005年に初めて外注によるWebサイトを立ち上げました。専門の方が制作したWebサイトは「すごくいいな」と思いましたね、自分たちで作るよりは。そんなWebサイトを使って発信を始めたのがきっかけです。
ー その後、マーケティングユニット(以下、MU)にWebマーケティングを依頼いただいたきっかけは?
原田社長:
Webサイトを作り公開したものの、企業としての武器になっていませんでした。問い合わせがあるわけでもないし……。
原田専務:
理念など、私たちの思いはどうやったら伝えられるのかと考えた時に、Webマーケティングやブランディングの重要性を感じていました。しかし実際には社内での知見が伴わず、何もかも問題がある状態でした。
原田社長:
Webサイトで「プロモーションもできればいいな」と思っていた頃に、MUさんとの出会いがありました。Webサイトを活用すればお客様が増える可能性があると聞き、お願いしてみることにしました。
ー 不用なコピー用紙などを回収して再生紙に生まれ変わらせる新事業「PELP!」も展開されていますね。PELP! Webサイトの大幅改修をMUに依頼いただきましたが、当時はどのような課題があったのでしょうか?
原田専務:
資源や環境に配慮した企業理念に刷新してから、リブランディングも試みましたが、なかなか自分たちの思うようなお客様層に入っていけなかったという課題がありました。
福嶋様:
改修当時は、PELP!サービスがスタートして4年半ほど経過した頃。さまざまな協業パートナー企業をお迎えできるようになったりと、スタート当時とはPELP!の内容も大きく変わってきていました。Webサイトも状況に即して変えていく必要がありました。
より広くPELP!を知っていただき、ユーザビリティ(使いやすさ)を向上させるための改修でした。
ー 認知度を向上させ、お問い合わせなどのアクションに直結するようなサイトに作り変える必要が出てきたということですね。
サイト改修後はクライアントとの関係に変化はありましたか?
原田専務:
「共創 = 共につくる」という弊社の取り組みが伝わりやすくなり、Webサイトを見た方からの共感を得られている実感があります。
福嶋様:
その他の大きな出来事としては、デザインを変更したりサイト内に発注窓口を設置することで、パートナー企業との連携をさらに強化できるようになりました。
例えば、現在のPELP!サイトは協業パートナーであるKinko’s様とも連携しています。サイト内の名刺の注文窓口からKinko’s様の注文フォームへ遷移するので、弊社の営業担当を通さずともKinko’s様が印刷するPELP!名刺を少ない枚数から注文できます。
原田社長:
PELP!サイトは環境保全の側面だけでなく、中小企業同士をつなげるお役立ちツールのひとつになるのかなと喜んでいます。
ー 紙の循環を中心に、中小企業のコミュニティができているようなイメージですね。
ー 以前は「思うようなお客様層に入っていけなかった」というお話もありましたが、御社が目指す理想のお客様層とは?
原田専務:
弊社は「循環型社会に貢献する」という理念を掲げています。これは1社だけでは実現できないことですから、共感してくださる企業とつながりたい、そして一緒になって循環する社会を作っていきたいという思いがあります。
最近はSDGsの流れもあり、「SDGsのゴールのどれかに取り組みたいけれど、何をすればいいだろうか」という課題を抱えるお客様にとって、「紙が循環する」というコンセプトは非常にわかりやすく、伝わりやすかったと思います。
このコンセプトに共感し、弊社と一緒に実現してくださるお客様が理想です。
ー オーダーを受けるメーカーとしての関係ではなく、共に歩むパートナーになりうるお客様を求めていこうという動きに変化していったのですね?
原田専務:
そうですね。環境に配慮したマーケットもまだ定着したものではありませんし、これから作っていかなければいけません。そういう意味もあって、お客様と一緒にマーケットを作っていければいいなと。
ー たしかに環境に配慮したマーケットは日本ではまだ新しいものですし、それをこれから作っていくのはかなり大きな挑戦かと。パイオニアですね。
そんな中、御社は全国に35店舗以上を有するオンデマンド印刷サービスを展開中のKinko’s様との取り組みも展開されています。
福嶋様:
Kinko’s様の環境に対する取り組みの中で、弊社が目に留まったようです。
その翌年にはオーダーメイド紙をご発注いただき、不要になった旧ユニフォームを抄き込んだ紙ができました。その紙はKinko’s様のビジョンを反映した販促ツールなどに生まれ変わり、それぞれの特徴を活かした共創によるシナジーを実感しています。
ー Kinko’s様では、名刺やサンプル冊子の表紙などの企業の看板にもなるようなところで御社の紙が使われています。まさに共創関係ですね。
ー 御社にとってWeb発信とは?
原田専務:
これまで弊社は製造業のメーカーでした。しかし最近は、単なるメーカーが普通にモノを売る時代ではないように感じます。
今はモノとモノで人がつながるのではなく、思いで人がつながっている時代だと思います。
ですので私たちの思いを発信でき、それをお客様が受け止め共感してくださることが必要でした。こうした新しいことを自社に取り入れる際、Webサイトでの発信はすごく助けになりましたし、応援してもらったという気がしています。
原田社長:
製紙業界では、自社のWebサイトを持たない企業も珍しくありません。その中でも、実際にお客様を呼べるようなWebサイトは非常に限られていますね。
弊社はお客様を呼べるWebサイトを持てたことを非常にありがたく思っています。
福嶋様:
弊社には60年ほど継続しているクレープ紙の既存事業と、PELP!を含む再生紙の新事業があります。そのどちらも問わず、気軽にお客様の困りごとに対応できるというのが企業がWebサイトを活用するメリットですね。
場所や属性を問わず、弊社の理念に共感するさまざまな企業や個人のお客様へアプローチできることに可能性も感じます。
ー その他、Webマーケティングを始めて得られた効果はどんなことでしたか?
原田専務:
人材採用の場面でも、Webサイトは大きな効果を発揮しています。
現在活躍してくれている福嶋もそうですし、大手メーカーをわざわざ退職してまで弊社に入社してくださる方もいました。特に印象に残っているのが「Webサイトから色々と感じ取れた」という声です。
新しい人が転職を検討する際に、手がかりはWebサイトを見るくらいしかないと思います。弊社のWebサイトは、いい人材を獲得するための資源にもなっていると感じます。
福嶋様:
私が転職した際にも、企業サイトを見て「中小企業だけど、ちゃんとしたWebサイトがあるので安心感があるな」と感じて応募しました。企業としての「安心感」は非常に大事ですので、プロの手で構築されたWebサイトを持つ重要性も実感しています。
ー 複数のWebサイトをお持ちですが、それらの運用担当を徐々に弊社に一元化されました。他社ではなく、弊社に絞った理由は何だったのでしょうか?
原田社長:
よく寄り添っていただいた、というのが決め手になりました。
Webマーケティングでは日本語ではないような用語が飛び交っているので、話についていけない場面もあるのですが、MUさんは非常に寄り添っていただける。
弊社の社員がMUさんに頼っている場面もあり、ありがたいことだなと思います。
最近は毎日のようにお客様からの問い合わせもあり、さらにどんどん増えてきています。数年前、MUさんと出会った当初の「お客様が増えるようになりますよ」という話が現実になっている、と感じたことも理由のひとつです。
原田専務:
MUのみなさんがとても寄り添ってくださいますし、スピード感もあります。コスト感もとてもわかりやすく、決して高すぎないという点もいいですね。
それで「MUさんでなければ」と思うようになりました。
ー ありがとうございます。「寄り添う」とは、御社にとってどんなことでしょうか?
福嶋様:
IT用語に不慣れな者も社内にはたくさんいるのですが、こちらが理解できるまで噛み砕いて説明してくださる時に「寄り添い力」を感じます。
また、かなり込み入った相談にもとても丁寧に寄り添って対応してくださったことが記憶に残っています。
原田社長:
成果につながっているWebサイトですが、そのまま放っておかずに、今後もどんどん進化させていかなければならないと感じています。そのためにはもっと寄り添っていただきたいなという思いでいます。
ー 時代の流れとともに、共創できるパートナーとしての進化を遂げた山陽製紙株式会社様。共感を呼ぶ理念や経営のヒントも多く垣間見れるインタビューとなりました。弊社も
さらに寄り添えるよう、尽力してまいります!
インタビューへのご協力ありがとうございました。
課題
対策
マーケティングユニットでは、お客様の目的に応じて短期〜中長期にわたる施策のご提案を行い、包括的なWebマーケティング支援を提供しています。
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