アウトソースとは、外部企業に自社の業務を委託することです。自社側にとって多くのメリットが感じられるため、現在抱えている課題や悩みを解決する対策になりえます。
この記事では、アウトソースの概要、似ている用語との違い、メリット・デメリット、導入時に気を付けたいポイント、おすすめの業務内容などについて解説。アウトソース企業を選択する際のコツにも触れていきます。
「業務のアウトソースを考えている」「自社社員の業務負担を減らしたい」
そうお考えの方は、こちらの記事をぜひ最後までお読みください。
目次
アウトソースとは何を指す？
まず、アウトソースという言葉について考えましょう。意味や他の用語との違いを理解することで、より適切な運用ができるかもしれません。
「社外に業務を委託すること」
アウトソースとは、「自社の業務・タスクを社外の企業に委託すること」を指します。
ここで注意しておきたいポイントは、「委託先の企業には、専門性が高い人材が集まる傾向にある」ということです。そのため、アウトソースはただ業務を代行してもらうだけでなく、プラスアルファの価値や意義が付随してきます。
似ている言葉と何が違う？
アウトソースには、同じ意味を持ちそうな言葉が多く存在しています。しかし、細かく意味を紐解くと、それぞれに違いが存在することも。
ここでは、4種類の関連用語を取り上げながらアウトソースの意味を深堀りしていきます。ただし、各用語に明確な定義や線引きが行われているわけではないため、あくまで一例としてご参照ください。
派遣
派遣とは、派遣会社から送られた人材に業務を行ってもらうことを指します。自社側が作業指示を出すことも多いため、委託先企業の裁量権が比較的大きいアウトソースとは異なる施策の1つです。
外注
外注とは、単に「自社の業務や物品を外部に発注すること」を指します。
一見アウトソースと同じ言葉のように見えますが、優先度や重要性が低いノンコア業務を外部に委託することで社員がコア業務に時間が割けるようにするアウトソースと違って、外部リソースの利用などの「業務を代行するだけでない付加価値」はあまり加味されていません。
業務委託
業務委託は、「業務の実施を自社以外に委託すること」を指す言葉です。外注の一種だと認識されることも。業務委託を受けた側が、業務にかかわる方針決めなどを実施することはあまり見られない点が、アウトソースとの相違点でしょう。
アウトソーシング
「コア業務に集中することを目的に、社内での優先度が高くないノンコア業務を社外に委託すること」を、アウトソースと呼びます。
なお、アウトソーシングとアウトソースには、あまり大きな意味の違いはありません。ただし、場合によっては「アウトソースする（動詞として使う）」「アウトソーシングについて考える（名詞）」といった使い分けがされることもあるようです。
アウトソースのメリット5選
アウトソースを取り入れた際のメリットを5種類紹介するので、自社がアウトソースを検討するための材料にお使いください。
業務の能率が高められる
アウトソースを導入すると、社内の生産性アップにつながります。なぜなら、より事業の売上向上に結びつきやすいコア業務に多くの時間や人材を注入することができるようになるからです。創造性や戦略性が求められる業務に力を入れることで、同業他社との差別化が進められるでしょう。
業務のクオリティがアップできる
アウトソースを実施する企業には、プロフェッショナルな人材が多く在籍していることが目立ちます。そのため、今まで自社内で行っていた業務の品質が高められるかもしれません。自社では使っていないような新しいシステムや技術を取り入れて、業務を進めてもらえる可能性も高いです。
専門的な知識を社内に取り込める
アウトソース企業から、専門性の高いノウハウが学べることもあります。担当者とコミュニケーションをとり、委託している業務内容に関する知識を社内に蓄積することができる可能性も。学習を進めることで、今後アウトソースではなく自社内で作業が完結できることもあるでしょう。
コストカットが見込める
アウトソースを行うと別途依頼料は発生しますが、自社内でのシステム構築や人材採用の必要性がなくなります。よって、コストの削減も可能になるでしょう。コストパフォーマンスの向上を目指したい企業におすすめです。
組織が最適化できる
アウトソースによって、自社内の業務量を抑えることができます。大量の業務を自社内で実施しようとすると組織が肥大化し、管理が煩雑になる恐れも。外部の力を借りて業務量を削減することで組織のあり方を最適化し、無駄の少ない事業運営が目指せます。
アウトソースにはデメリットも
アウトソースには多くのメリットがありますが、デメリットの存在も忘れてはいけません。懸念点も理解しておくことで、いざアウトソースを導入した場合も、より適切に実施できるようになるでしょう。
情報セキュリティに配慮しなければならない
アウトソースを行うと、重要な情報を社外に持ち出すことになります。そのため、情報漏えいやそれに付随する不正アクセスなどのリスクが高まる可能性も。アクシデントが発生すると企業の信頼性にかかわるため、セキュリティ対策には特に力を入れる必要があります。
業務の進行状況が把握しにくい
社外で業務がどのように実施されているか認識しづらくなるため、進捗がつかめずミスの発生に結びつくこともあるでしょう。定例のミーティングをスケジュールに組み込み、情報を定期的に取得することをおすすめします。
社員のスキルを伸ばすことが難しい
アウトソースを依頼するだけでノウハウの学習などに取り組んでいないと、自社の社員におけるスキルアップは厳しいかもしれません。というのも、実際に関連業務を行う社員が社内にいなくなるからです。「依頼を通して、アウトソース企業からノウハウを学ぶ」という観点を失わないようにしましょう。
アウトソースを実施する際のポイント
アウトソースを外部企業に依頼するにあたって、いくつかのポイントに配慮することが重要です。ここで紹介する要素を取り入れることで、成功につなげられるでしょう。
現状の改善点をリストアップする
アウトソースを企業に依頼する前に、自社が抱える課題点を洗い出してリストにまとめましょう。この過程を踏まなければ、実際には不必要な業務をアウトソース化してしまい、コストの無駄を生じさせる恐れがあります。
明確なゴールを決める
アウトソースを導入することでどのような目標を達成したいのかを決め、社内で認識を統一させることも大切です。目標が明確化することで、今後アウトソースが成功したかどうかも判断できます。これに加えて、改善に向けた適切な対策も実施しやすくなるでしょう。
自社の目的が達成できそうな企業を選ぶ
アウトソースを行う企業は厳選する必要があります。なぜなら、企業によって得意とするサービスの種類や細かな内容に違いがあるからです。自社の課題点や目標と照らし合わせて、より高い効果が得られそうな企業を見つけてください。
アウトソースしやすい業務内容
アウトソース導入を成功させるためには、依頼する業務を取捨選択しましょう。ここでは、アウトソースに向いている業務の例を5つ取り上げます。
人事・総務
バックオフィスとして例に挙げられやすい人事・総務業務のうちルーティン的な業務は、アウトソースに適しています。たとえば、電話やメールの応対、入力業務、人材の採用、人事管理などが主な例です。
経理
毎月一定のサイクルで実施することが多い経理業務も、アウトソースにおすすめです。企業によっては、経理特化型のサービスを提供していることもあります。
コールセンター
コールセンターは設備や場所の管理に大きなコストがかかるため、アウトソースを選ぶ企業も目立ちます。自社の営業時間外にコールセンターを稼働することができる点もポイントです。
プログラミング
専門的な知識が必要になるプログラミングも、アウトソースに向いています。なぜなら、アプリやシステムの開発を内製化するには、技術力を持った人材や開発環境が求められるからです。
Webマーケティング
広告宣伝、SNS運用、データ分析などをはじめとしたWebマーケティングも、アウトソースしやすい業務の1つです。集客や業績の向上に関する問題点がある場合、過去の経験に基づいた適切な対応が期待できます。Webマーケティングの知識は目まぐるしいスピードで変化するため、適応力が高い専門の企業に委託するといいでしょう。
Webマーケティングについては、以下の記事もぜひお読みください。
集客について悩みがあるなら、こちらの記事もおすすめします。
アウトソース企業を選ぶコツ
アウトソースの際は、自社にとってより多くのメリットが感じやすい企業を選びましょう。企業選びの際にぜひ実施していただきたいコツを3つご紹介します。
相見積もりを取る
特定の企業1社のみから見積もりを取るのではなく、複数の企業から相見積もりを取るようにしましょう。というのも、複数の見積もりを参考にすることで費用の相場が把握できるからです。ここでは、「全社同じ条件で見積もりを依頼すること」にお気をつけください。
これまでの実績を調べる
依頼を検討しているアウトソース企業が今までに残してきた実績を調べ、どのような分野で評価されているのか確認することも重要です。その内容をもとに、自社が求めている要素を満たす企業を選定します。
問い合わせ・相談時の対応を比較する
アウトソース企業を選ぶ際は、費用の安さだけを参考にすることは控えましょう。情報の問い合わせや依頼相談を行ったときに「スムーズな対応が期待できるか」「不安なくコミュニケーションがとれるか」といったポイントも確認するといいですね。
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