商品やサービスの集客手段として、オウンドメディアは企業にとって欠かせない存在となっています。しかし、実際にどのような成果が得られるのか、どれほどの反響があるのかは、運用してみなければ見えてこない部分も多くあります。
そこで本記事では、Webマーケティングの課題解決をサポートする弊社が、これまで支援してきたオウンドメディアの成功事例6選をご紹介。どのような施策が成果につながったのかを具体的に解説しながら、実際の運用におけるポイントや直面しやすい課題についても詳しく取り上げます。
デジタルマーケティングを進めるうえで役立つ情報をまとめているので、企業のマーケティング担当者や成功事例を参考にしたいという方はぜひご覧ください。
目次
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【はじめに】オウンドメディアとは?
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自ら保有・運営するメディアの総称で、代表的なものに自社のWebサイトやブログがあります。
オウンドメディアでは、以下のようなコンテンツが提供されることが一般的です。
・検索エンジンでの上位表示を目的としたSEO記事
・ダウンロード資料として活用されるホワイトペーパー
・自社サービスや商品の導入事例 など
なお、現在ご覧いただいているこの記事も、弊社が運営するオウンドメディアの一部として発信しているコンテンツにあたります。
企業がオウンドメディアを運用する背景
企業が主体となって情報を発信するオウンドメディアには、主に次の3つの目的があります。
・認知拡大およびブランドの構築
・見込み顧客との関係構築(リード獲得)
・自社サイトへの誘導とコンバージョン(※)の促進
※コンバージョン:商品購入や資料請求、問い合わせなど
オウンドメディアの大きな強み・特徴は、検索エンジンを通じて見込み顧客を自社に呼び込める点にあります。SEO(検索エンジン最適化)を意識したコンテンツを継続的に発信することで、ユーザーが関連キーワードで検索した際に、自社ページが検索結果に表示されやすくなります。
こうした取り組みにより、価値ある情報提供を通じて見込み顧客との接点が増え、最終的には資料請求や問い合わせ、購買などの具体的なアクションにつなげることが可能です。
関連記事:WebマーケティングのSEOとは?重要性・仕組み・対策内容も解説!
オウンドメディアの成功事例【BtoB】
BtoB領域では、製品やサービスの専門性が高く、ターゲットとなる層も限られています。
さらに、商品やサービスを訴求すべき相手は一般消費者ではなく、企業の意思決定に関与する経営者層や購買部門です。
こうした背景から、「BtoCと比較してオウンドメディアの運用が難しい」と言われることも少なくありません。
しかし、SEOを活用して適切なキーワードを狙うことで、課題解決のために情報・知識を探している見込み顧客を的確に呼び込むことが可能です。つまり、BtoB企業であっても、「正しい戦略」と「継続的な運用」を組み合わせることにより、オウンドメディアは有効な集客手段として機能します。
ここからは、私たちマーケティングユニットが実際に携わったBtoB企業におけるオウンドメディア活用の事例をご紹介します。
BtoBの成功事例|1.SEO対策を実施し反響獲得

不織布の製造・加工を専門とするマルヰ産業株式会社様の事例です。同社は社名以外での検索数が少なく、社名で検索されても同名他社が上位に表示されるため、Web経由の新規集客が課題となっていました。
そこで、既存顧客に依存した営業体制を見直し、Webサイトをリニューアル。「ニードルパンチ」「不織布」など業界特化キーワードでのSEO対策を実施し、半年で10記事を掲載。その後34記事まで充実させ、年間18万PVを超えるメディアに成長しました。
結果、反響ゼロの状態から毎月5件程度の新規案件の獲得にもつながりました。 さらにWebマーケティング導入し成果が出たことにより、Web施策への社内理解も進み、社内の士気向上にもつながっています。
関連記事:中小企業に必要なのは差別化、Webマーケティングで見えた新しい景色
BtoBの成功事例|2.サイトを見直し反響獲得へ

総合物流会社である関根エンタープライズ様の事例です。同社は自社サイトを運営していたものの、有効なキーワードでの検索上位表示ができておらず、サイトの役割を見直すことに。
既存の事例紹介のページを「物流コラム」として改修し、検索流入が見込めるキーワードをもとに記事を再構成しました。設計段階から21本のSEO記事を公開し、その21記事で年間20万PVを超えるメディアへと成長しました。
コラム経由で月間10件、全体では月間50件を超える新規問い合わせにつながっています。
BtoBの成功事例|3.継続的なコラム更新でサイト流入数増加

滋賀県に本社を置く電子機器製造のアドガワエレクトロニクス様の事例です。
同社はプリント基板の実装から製品組立までを一貫して対応している企業ですが、商談につながるサイト経由の反響獲得を課題としていました。そこで、オウンドメディアによるSEO記事の定期更新を提案。検索上位を狙い、流入増加を目指しました。
開始前は有効な反響がほとんど無い状態でしたが、「基板」をはじめとしたキーワードが検索上位表示されるように。
記事コンテンツを追加していくと、わずか半年ほどでサイトPV数が増加し、そのうちコラム経由の流入も増加していきました。
今後も継続的に対策を行い、さらなる反響獲得を目指しています。
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オウンドメディアの成功事例【BtoC】
BtoC領域ではジャンルごとに傾向は異なるものの、オウンドメディアを活用することで、認知拡大を生み出すことが可能です。
戦略的かつ継続的な運用によって、ブランドのコンセプトや魅力を伝え、情報発信を通してユーザーの共感やファン化を促すことも可能になります。さらに、SNSの拡散を利用したコンテンツ設計・構成を意識することによって、新たなターゲット層にも情報を届けることが可能です。
ただし、商品購入や来店などの具体的な行動につなげるには、適切な導線設計が欠かせません。
ここからは、私たちマーケティングユニットが支援したBtoC企業におけるオウンドメディアの成功事例をご紹介します。
BtoCの成功事例|1.新規顧客獲得につながる運用

名古屋を中心に鍼灸接骨院・整体院を運営するハートメディカル様の事例です。
同社はスタッフの方がブログを執筆していたものの、アクセスが伸びず、サイト管理の工数も課題となっていました。
そこで、「腰痛」「膝の痛み」といった検索数の多いキーワードに着目し、記事のリライトとオウンドメディアの再設計を実施しました。約1年で35記事を公開し、アクセス数は開始前の8倍に。1年半で51記事を配信して、約3万PVを稼ぐヒット記事も登場した結果、アクセスを19倍に伸ばしました。
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BtoCの成功事例|2.ブランディングつながる運用を実現

100年以上の歴史をもつ印染(しるしぞめ)の老舗である株式会社水野染工場様の事例です。伝統技術を大切にしながらも、時代の変化に対応するためWebマーケティングを積極的に推進しています。
染物というニッチ分野であることから、オウンドメディアのコラムを通じてアクセス数を拡大することが課題でした。
そこで「藍染」などのキーワードでSEO対策を行い、3年間で150本の記事を公開。年間200万PVを超えるメディアへと成長 し、現在では「藍染といえば水野染工場」と広く認知される存在に。また、制作作業を外部委託することで大幅な時間短縮とコスト削減を実現しています。
関連記事:伝統を守るための挑戦。Webマーケティングで業界屈指の存在に成長した老舗企業
BtoCの成功事例|3.指定KWで上位獲得多数

中古鉄道グッズの買取・販売をオンラインで展開する鉄道本舗様の事例です。
多くの仕入れを確保するために新規顧客の獲得は必須。自社で月2〜4本の鉄道関連コラムを投稿していたものの、検索上位に表示されず集客に課題を抱えていました。
そこで、「鉄道模型」「nゲージ」をはじめとしたキーワードで、SEOに強いライターによる記事執筆とWebサイトの改善を実施した結果、指定キーワードで検索上位5位以内に表示される機会が増加。 Webサイトの閲覧数や訪問者数も大幅に伸び、問い合わせ数の増加にもつながりました。
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事例から見るオウンドメディア運用成功のためのポイント

オウンドメディアを効果的に運用し、ビジネス成果につなげるには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。次から、成功のカギとなる要素を一つずつ解説していきます。
運用の目的を明確にする
オウンドメディアを成功に導く第一歩は、「何のために運用するのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なままでは、コンテンツの方向性や発信するメッセージに一貫性がなくなり、結果として成果につながりにくくなります。
例えば、「ブランド認知を高めて集客につなげたい」「ECサイトのコンバージョン率を向上させたい」「採用の強化にもつなげたい」など、目的は企業によってさまざまです。
これらの目的に応じて、誰に向けて発信するのか(ペルソナ)を設定し、ペルソナが求める情報を盛り込んだテーマを企画する必要があります。
キーワード戦略を適切に行う
検索エンジンからの流入を獲得するには、読者のニーズを正確に捉えたキーワード戦略が不可欠です。単に関連する言葉を記事に含めるだけでは十分ではなく、戦略的な視点でキーワードを選定することが求められます。
まずは、自社サービスや商品に関連するキーワードを洗い出し、Googleキーワードプランナーなどのツールを使って検索ボリュームや競合状況を把握します。その上で、ユーザーの具体的な課題や興味関心に対応したロングテールキーワードも活用することで、より質の高い検索流入が期待できます。
また、コンバージョンへの貢献を意識したキーワード設計ができるとより良いでしょう。
継続的にコンテンツの更新と改善を行う
オウンドメディアは、一度立ち上げて終わりではありません。成果を出すためには、コンテンツの「質」と「量」を両立しながら、継続的に更新と改善を行っていく必要があります。
例えば、週に1本、あるいは月に数本など、更新頻度をあらかじめ設定し、地道にコツコツと進めていくことが重要です。また、公開した記事を定期的に見直し、最新の情報へとリライトを行うことも欠かせません。
さらに、Googleアナリティクスをはじめとした分析ツールを活用してアクセスデータを分析し、成果が出ている記事・出ていない記事を把握しながら改善につなげていきます。
こうしたPDCAサイクルを地道に回すことが、オウンドメディアの成長を支える土台となります。
運用体制を整える
オウンドメディアを継続的に運用していくためには、チームの体制づくりが必要です。コンテンツ戦略の立案から記事の企画・制作、効果分析に至るまで、多岐にわたる業務を効率よく進めるには、それぞれの役割を明確にすることが欠かせません。
例えば社内で運用する場合は、ライター、SEO担当といったメンバーの役割を分担し、責任の所在をはっきりさせる必要があります。
一方で、リソースが不足している場合には、制作会社など外部パートナーの力を借りる方法もあります。ただし、制作業務を丸投げするのではなく、インタビューやヒアリングを通して、商品・サービスの情報や自社ならではのノウハウを詳細に共有し、コミュニケーションを密にとりながら制作を進めていきましょう。
オウンドメディア運営の課題
企業がオウンドメディアを効果的に運用するためには、いくつかの課題を乗り越える必要があります。ここでは2つの課題とその解決の方向性について見ていきましょう。
効果が出るまでに時間がかかることを想定
オウンドメディアは、主にSEOを基盤とした中長期的な集客施策です。そのため、広告とは異なり、最初から成果が出るものではなく、効果が現れるまでに一般的に数ヶ月から半年以上を要します。
短期間での成果を重視する企業にとって、このタイムラグは大きな障壁となり得ます。しかし、オウンドメディアは一度軌道に乗れば、検索流入を安定的に生み出し続ける「資産型」のメディアとして機能するのが特長です。
「即効性はないが、長期的には高い効果が見込める施策である」という点を社内で共有・理解してもらうことが、円滑な運用のために重要です。
社内体制の構築とリソース確保
オウンドメディアの運営には下記のような多くの業務が発生します。
- 戦略の設計
- 記事キーワードの選定・制作
- SEO対策
- 効果分析など
業務が多岐にわたるにもかかわらず、多くの現場では担当者がメインの業務と別に兼務する形で進めているケースもあります。結果としてコンテンツ更新が停滞したり、運用が形としてだけ残ったりと、失敗してしまうケースも少なくありません。
このようなリソース不足を回避するには、どれだけの人材を確保できるかを把握しておくことや、あらかじめ企画・編集・執筆・分析といった役割分担を明確にしておくことが必要です。
また、社内だけでの対応が難しい場合は、外部の制作代行会社やSEO専門業者などと連携することも検討しましょう。
関連記事:アウトソースとは?メリット・デメリット、実施のポイント、企業選びのコツは?
マーケティングのプロによる伴走でオウンドメディア運用を成功に導く
オウンドメディア運用の成功事例を紹介しつつ、成果につなげるための運用ポイントについて解説しました。オウンドメディア運用はBtoB・BtoCに関わらず、戦略的にかつ継続的に運用することによって強力な営業支援ツールとなります。
弊社では、明確な成果指標をもとにメディアを設計するため、競合の多い業界やニッチな業界であってもしっかりと成果を実現することができています。
「なかなか成果が出ない」「何から始めるべきか分からない」といった悩みを抱える企業様からも多くのご依頼をいただいており、さまざまな課題解決をサポートしています。オウンドメディア運用にお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
また、私たちのミッションやサービス内容、成功事例をまとめた資料もご用意しています。以下のリンクからダウンロードいただけますので、ぜひお気軽にご覧ください。
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